レザーペイント推奨のリペア行程   

基本工程は鞄、財布などで一般的な顔料仕上げのスムースレザーを想定しています。
使用する仕上げ剤は革の製造工場であるタンナーで使用されるものの中でも最もハイスペックなものを採用しています。
スプレー塗装を推奨しますが、トップコートのNCラッカートップを除いて刷毛等の手塗りも可能です。
※ヌメ革、染料仕上げ革、起毛革、エナメルレザー、爬虫類革等は風合いを損なう可能性があるのでご注意ください。

  基本工程
  1. クリーニング
  2. リムーバー、脱脂処理
  3. 密着、目止め(推奨)
  4. 顔料塗装
  5. トップコート
スプレー塗装に必要な機材はこちらをご覧ください。
・必要な機材一覧

溶剤系商品を使用した工程が含まれます。特に下記の点にご注意ください。
1.引火性可燃物ですので、火気厳禁です。
2.有機溶剤中毒や皮膚障害を起こす恐れがあるため、取り扱い時は塗装ブース、保護具を使用してください。
 
1.クリーニング 
ブラシ等で埃を落した後、皮革用中性クリーナーで汚れを取り除きます。
革の表面がよく乾いてから次の工程を行ってください。
特に目立った汚れ、黒ずみなどがない場合は省略可能です。

《使用する商品》
馬毛ブラシ
レザークリーナー
 
2.リムーバー、脱脂処理
リムーバーCでクリーナーで落ちなかった汚れの除去、脱脂を行い、トップコートの溶解性も確認します。
ある程度のトップコート除去は再塗装での密着性を得るために重要な工程です。
リムーバーCは単独使用では塗膜を溶解する力が強いので、必要に応じで水で希釈して使用して下さい。
まずはリムーバーCと水を1:1で割って、目立たない箇所で塗膜の落ち具合を確認してから使用してください。

《使用する商品》
リムーバーC
3.密着、目止め (推奨)
・アンカーコート ※スプレー推奨
塗膜を溶解しながら再塗装に適した下地を形成します。
再塗装が前提となるリペアでは密着性を向上させる重要な工程です。

・エッジカバーシーラー
擦れ傷や毛羽だった部分など、吸い込みが大きいダメージがある場合はエッジカバーシーラーを使用します。
吸い込みを止めることで、エッジカバーを均一に塗布することができます。
また密着性向上と剥離防止としても効果があります。

《使用する商品》
アンカーコート 油性密着コート
エッジカバー シーラー 水溶性目止め剤
 
4.顔料塗装
エッジカバーを調色して塗装します。
スプレー、刷毛等で薄く重ね塗りして下さい。
柔軟性、耐摩耗性を兼ね備えたエッジカバーは単独使用で塗膜割れと色落ちのリスクが低い設計となっていますが、必要に応じて以下の薬品を配合して下さい。

艶調整にはウレタントップマットコンク
顔料濃度と艶を合わせて調整する場合にはウレタントップ
希釈には水、ペネトレーター(推奨)を使用して下さい。

エッジカバーは艶有りになるので、最終仕上がりがマットの場合はこの工程である程度艶を落しておくことをお勧めします。
ウレタントップマットコンクを調色済みエッジカバーの全体量に対して〜20%程度配合することで調整します。

《使用する商品》
エッジカバー 低粘度タイプ 水溶性ウレタン樹脂塗料
ウレタントップマットコンク 水溶性ウレタンバインダー マット剤
ウレタントップ 水溶性ウレタンバインダー
ペネトレーター 水溶性レベリング調整剤
5.トップコート
最終の艶調整、色止め、感触の調整、摩耗性など耐久性の向上を目的に無色の塗装を行います。
塗装する製品、塗装方法に合わせてウレタントップ、NCラッカートップから選択してください。

鞄や財布など一般的な革製品のトップコートにはNCラッカートップを使用しますがスプレー塗装が前提になります。
エアブラシ、スプレーガンを使用できない場合は水溶性のウレタントップをご使用ください。

《ウレタントップ》
薄い塗膜層で色止め効果を得られます。
自動車、家具用革にも使用される高い耐久性が特徴です。

《NCラッカートップ》
革製品の仕上げに最も多く使用され、非常に薄い塗膜で高い摩耗性を得られます。
水性のウレタントップとは異なる艶感と革らしい感触が特徴です。

《使用する商品》
ウレタントップ 水溶性ウレタンバインダー
NCラッカートップ グロス(スプレー推奨)油性トップコート
NCラッカートップ マット(スプレー推奨)油性トップコート マット剤
ラッカーシンナーDR ラッカー希釈剤